2010年6月30日(水)「しんぶん赤旗」
クーデター1周年
憲法の改定を
ホンジュラスでデモ
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【テグシガルパ=菅原啓】中米ホンジュラスでは、セラヤ前政権を転覆した軍事クーデターから1周年を迎えた28日、クーデターに抗議し、憲法改定と新たな国づくりを求める市民らがデモ行進を行いました。首都テグシガルパで数万人が参加したのをはじめ、全国各地でデモや集会が組織され、参加者総数は数十万人に達したとみられています。
クーデター派支配下の選挙で当選し、1月に就任したロボ現大統領は同日、クーデターは、必要な措置だったと改めて表明しました。
ロボ政権は反対派の活動家やジャーナリストを弾圧。人権団体によると、この1年間で弾圧による死者は70人以上にのぼっています。
セラヤ氏の写真を抱えてデモに参加した自営業の女性ドミニカ・ウマンソルさん(60)は、セラヤ政権の時は、所得の少ない家庭には電気料金などの軽減措置がとられるなど、庶民にやさしい政治だったのに、いまはそれがなくなり、電気代は3倍にもなったと生活の苦しさを訴えていました。
国会に議席をもつ唯一の左派政党、民主統一党(UD)のカステジャノ議員は、「クーデターは旧支配層が変革の前進を恐れて引き起こしたものだ」と指摘しました。
また同日、クーデター賛同者で占められている「真相解明委員会」に代わり、弾圧事件の真相解明と責任者の特定と処罰をめざす自主的な「真相解明委員会」の設立が発表されました。ホンジュラスの知識人2人と米州諸国の法律家、人権活動家ら6人が加わり、1年後に調査結果を発表する計画となっています。