2010年6月29日(火)「しんぶん赤旗」

JR採用差別で和解

原告の雇用実現が課題


 1987年の国鉄分割・民営化の際、国労や全動労(現・建交労)に所属しているという理由で労働者がJRを不採用となった採用差別事件で、組合員らが、旧国鉄の債権、債務を継承した鉄道建設・運輸施設整備支援機構に損害賠償などを求めた5件の訴訟は28日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)で和解が成立しました。

 和解は4月に出された政府解決案にそったもので、同機構が原告904人に平均2200万円(総額約200億円)を支払い、原告は訴訟を取り下げます。全面解決には、原告のJRへの雇用が課題として残されています。

 会見で各原告団の代表が発言。採用差別国労訴訟の神宮義秋団長は、「長い期間かかったが、和解が成立しうれしく思う。残された課題の解決に向け、頑張っていきたい」と述べました。

 全動労鉄道運輸機構訴訟の渡部謙三副団長は、「政治解決に尽力いただいた政党や支援してくれたみなさんに感謝します。雇用の全面解決で、喜びをともにしたい」と強調しました。

 当事者と支援者の4者4団体と弁護団は、「積み残されている雇用確保が実現されるまで全力をあげて奮闘する」と強調し、引き続く支援を求めた共同声明を発表しました。


 4者=国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道建設・運輸機構訴訟原告団、全動労争議団

 4団体=国鉄労働組合(国労)、全日本建設交運一般労働組合(建交労)、国鉄闘争支援中央共闘会議、国鉄闘争に勝利する共闘会議





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