2010年6月27日(日)「しんぶん赤旗」

消費増税法案 年度内に

民主党内部資料で判明


 菅直人政権が計画している消費税増税のスケジュールが民主党の内部資料で分かりました。2010年度末(11年3月末)までに法案をまとめ成立させたうえで2、3年後の実施を狙っています。消費税増税をめぐり、情勢は一段と緊迫化してきました。参院選挙での増税反対の審判がいよいよ重要になってきました。

 民主党(菅直人代表)が作成した「参院選マニフェスト(政権公約)Q&A」は、消費税増税法案の検討を参議院選挙後に直ちに開始し、各党に対して「財政健全化検討会議」の設置を呼びかけるとしています。その上で、消費税増税法案を「2010年度内にとりまとめる」と明記。その後、「合意が得られれば、速やかに法案を提出し、成立を期したい」としています。

 民主党が公表しているマニフェストでは、「消費税を含む税制の抜本改革」について、「早期に結論を得る」としているだけで、時期を明確にはしていません。

 菅首相は、すでに消費税10%に言及しています。また、消費税増税の実施時期については、「2、3年後」としています。一方、民主党は法人税減税を公約に掲げており、消費税増税の狙いが大企業減税の財源づくりにあることがはっきりしてきています。

 麻生太郎自民・公明内閣下の09年3月に成立した税制「改正」法の付則では、消費税増税を含む税制「改革」を行うため、11年度までに必要な法制上の処置を講じるとしています。さらに10年代半ばまでに、消費税増税を実施する考えを示しています。民主党は当時、この税制「改正」に反対。しかし民主党の「Q&A」ではこの法律について、「活用できれば活用していきたい」とし、「自民党・公明党をはじめ、この法案の成立に携わった方々にも、ご協力をいただきたい」と自公と歩調を合わせる考えを示しています。

 日本経団連(米倉弘昌会長・住友化学会長)は、消費税率を当面10%に引き上げる一方、法人税を引き下げることを求めています。さらに、経団連は、民主、自民を念頭に「超党派」での取り組みを呼びかけており、菅内閣のスケジュールは、財界のシナリオに沿ったものになっています。

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