2010年6月26日(土)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
歓喜の輪の日本代表選手。ぼう然と立ちつくすデンマーク選手。サッカー・ワールドカップで日本代表チームが、決勝トーナメントに進みました▼チーム一丸の団結が呼び込んだ快挙です。遠藤選手は、フリーキックを決めたとたん、代表に選ばれながら試合に出ていない選手のいるベンチへ一直線。「出られない選手が盛り上げてくれる。感謝の気持ちを込めて行きました」▼さて、代表は代表でも、国民の代表、国会議員の中でおかしな話がもちあがっています。財政の無駄づかいをなくすため、あるいは政治への信頼を取り戻すため、まず国会議員を減らそうというのです▼「国権の最高機関」の国会。その議員がわが身を無駄とみなすのですから、代表の重みをなんと心得ているのでしょう。議員定数を削れと唱える政党はみずからを、代表のつとめを果たせない無駄な議員の集まりと認めているのでしょうか▼さらにおかしいことに、衆院比例代表の議員を無駄者あつかいし、削るといいます。が、「小政治家は次の選挙を考え、大政治家は次の時代を考える」との言葉もあります。小選挙区の候補が、選挙めあての有権者受けする公約を並べ、終われば公約破りという現実は、みてのとおりです▼もともと、議員一人しか選ばない小選挙区は、民意を反映せず政治不信を招きます。世界の中で、議員数がもっとも少ない部類に入る日本。問われるのは、量ではなく政党・議員の質です。無駄減らしは、税金山分けの政党助成金からどうぞ。