2010年6月25日(金)「しんぶん赤旗」
駐留米軍司令官を解任
オバマ大統領 混迷放置できず
アフガン
【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は23日、アフガニスタン戦略をめぐり米誌上でバイデン副大統領ら政府高官を非難したマクリスタル・アフガン駐留米軍司令官の解任を発表しました。後任にペトレアス米中央軍司令官を指名しました。
オバマ氏は同日、ホワイトハウスでマクリスタル氏から直接、事情を聴取。その後の会見で解任理由に「軍への文民統制を侵害した」ことをあげ、同氏は司令官として守るべき基準にそぐわないと指摘しました。
同時に今後のアフガン戦略については「目標は明確だ。タリバンの勢力をそいでいく」と述べ、これまでの戦略を堅持することを表明しました。
アフガン戦争は2001年10月の開戦以来まもなく9年となり、米国史上最長の戦争となっています。就任後1年でマクリスタル氏を解任したのは、長期化・泥沼化する戦争をめぐって、政権内の混迷を放置できないとの判断があったとみられます。
マクリスタル氏のもと、「掃討作戦」で民間人の犠牲は絶えず、米軍へのアフガン国民の反感は増していました。同氏は今月に入り、タリバンの本拠地・カンダハルの掃討作戦の着手が遅れるとの見通しを示すなど、戦争長期化が避けられない様相となっています。
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