2010年6月25日(金)「しんぶん赤旗」

主張

参院選公示

消費税増税の大連合に審判を


 「政治を変えたい」という国民の願いをどう生かすか。重要な参院選挙が公示されました。

 菅直人首相が持ち出した消費税増税問題が大争点になり、鳩山由紀夫前政権が国民を裏切った米海兵隊普天間基地の「移設」押し付けや「政治とカネ」問題も大きな焦点です。国政選挙を前に与党が消費税増税で協議を呼びかけ、野党第1党がそれに同調するというのも前例がありません。「大連立・大連合」の動きを許さず、消費税増税にも新基地建設にも反対する日本共産党の躍進が求められます。

党首第一声が浮き彫り

 消費税増税・新基地建設の「大連立」か、それに立ち向かう党か―公示日の党首の第一声でもその構図は浮き彫りになりました。

 東京・新宿で第一声をあげた日本共産党の志位和夫委員長は、菅首相と民主党が持ち出してきた消費税増税が財界の要求を丸のみした法人税減税とセットであり、「消費税増税の目的が財政再建でも社会保障財源でもなく、大企業減税の財源づくりだということを見極めてほしい」と呼びかけました。

 事態は切迫しています。消費税増税で協議を進めるという民主党や自民党、先々増税が必要という公明党やみんなの党に任せたのでは「赤信号みんなで渡れば怖くない」になります。消費税を導入したときもこれまでの増税でも一貫して反対してきた、日本共産党の躍進で消費税増税の大連合に厳しい審判を下すことが必要です。

 大阪で第一声をあげた菅氏は、「消費税増税のための協議を進めたい」と改めて増税推進の立場を示しました。ところがその目的については「社会保障の財源が足りない」「財政破たんでギリシャのようになる」などというだけで、法人税減税とのセットは隠す態度です。消費税増税の目的を見極めることが、いよいよ大切です。

 山梨で第一声をあげた自民党の谷垣禎一総裁は、民主党政権を「ばらまき」と批判しながら、消費税増税については「勇気がいるが、申し上げ、将来に責任を持つ」と、民主党に呼応する態度です。民主党と自民党が「大連立・大連合」でことを進めようとしている危険は、現実のものです。

 埼玉で第一声をあげた公明党の山口那津男代表は、「借金の穴埋め」でなく「社会保障のため」ならと、増税を容認しました。もともと公明党は自民党と与党だった時期に、「消費税を含む税制の抜本的な改革」に必要な法制上の措置を2011年度までに講じると明記した法律を成立させています。公明党も、消費税増税派であることは隠しようがありません。

財界・米国にもの言う党

 消費税は所得の少ない人ほど負担が重く、社会保障の財源としてもっともふさわしくありません。志位氏は、軍事費にメスを入れ、大企業・大資産家への行き過ぎた減税を見直し、大企業の利益と内部留保を社会に還元させる経済政策で税収を確保すれば、社会保障と暮らしを支える財源がつくれることを明らかにしました。

 消費税増税の根本には「財界いいなり政治」があります。沖縄に基地を押し付ける根本にも「アメリカいいなり政治」があります。参院選で財界とアメリカにものを言える日本共産党を伸ばすことこそ、暮らしと平和を守る力になることはいよいよ明らかです。





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