2010年6月24日(木)「しんぶん赤旗」
自立支援法改定案
民主・自民・公明・社民・国民新――障害者抜きで法案づくり
共産党――反対を貫く
障害者の議論を無視して突然、持ち出された障害者自立支援法改定案。廃案になりましたが、一連の経過のなかで、障害者抜きで法案づくりを進めた民主・自民・公明・社民・国民新の各党と、反対を貫いた日本共産党という政党構図が鮮明になりました。
障害者に重い負担を強いてきた自立支援法については、廃止後の福祉制度のあり方や廃止までの緊急課題を、障害者も参加した内閣府の「障がい者制度改革推進会議」で議論を重ねてきました。
その議論を無視して5月28日の衆院厚生労働委員会に突然、持ち出されたのが自立支援法改定案です。自民・公明議員が4月27日に提出した案と、民主・社民・国民新の議員らが5月26日に提出した案を両者が取り下げ、委員会提案として一本化したものです。
「自立支援法の枠組みを廃止するのではなく、足らざる部分を直す」(田村議員)という自公案に、廃止の立場の民主・社民が乗るという異常な事態となりました。
民主党は、「改定案は廃止までのつなぎ」と言い訳しましたが、時限立法ではなく自立支援法延命につながるものでした。社民党は、「時限立法にならなかった」という理由で、採決では反対しましたが、障害者抜きで法案づくりを進めた責任はまぬがれません。
日本共産党は5月28日の衆院厚労委で高橋ちづ子議員が、6月1日の参院厚労委では小池あきら議員が追及。参院厚労委で質問・討論を行ったのは小池氏だけでした。社民党は福島瑞穂党首が出席しましたが意見表明しませんでした。
国会閉会日の16日、3日連続の障害者の国会行動を激励していた小池氏の携帯電話に「廃案」の情報が入り、報告すると、歓声がわき起こりました。
障害者の運動と手を携え国会論戦を進めた日本共産党の議席の値打ちがはっきりした瞬間でした。(柴田善太)
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