2010年6月24日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「普通なら受け入れられない現実を/当たり前に受け入れてしまっていた/これで本当にいいのだろうか?」▼普天間高校3年の名嘉司央里さんは、きのうの沖縄の全戦没者追悼式でこう問いかけました。当たり前に基地があり、当たり前にヘリが飛び、爆弾実験がある日常。自作の詩、「変えていく」は続きます。「簡単にこの違和感を/無視していいのだろうか?」▼直後の菅直人首相のあいさつは、名嘉さんの「?」に答える形となりました。首相は沖縄に対し、基地の重い負担をかけているとわびながら、お礼の気持ちを表しました。「沖縄の負担がアジア・太平洋の安定につながってきた」と▼申し訳ないが「アジア・太平洋の安定」のため「違和感」に目をつむってほしい、というわけです。しかし沖縄の米軍は、侵略先のベトナムやイラクへ行っては罪のない人たちを殺し、国土を荒らしました。アメリカ自身の若者の命も、多く失われました。「安定」どころか破壊と混乱をもたらす、出撃拠点ではなかったか▼「沖縄という島はいつまで戦世が続くのか 安心して暮らせる時節が来るのはいつの日か…」。「平和の願い」という島唄の訳詞です。元本紙記者、沢村昭洋さんがまとめた『「戦世(いくさゆ)」と平和の沖縄島唄』によると、「戦後も沖縄が米軍支配のもとで戦争と固く結びついていることを告発」した歌です▼いまも戦場と、まっすぐつながる沖縄。「違和感」の正体は、一見平和な日常と隣り合わせの「戦世」なのでしょう。





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