2010年6月23日(水)「しんぶん赤旗」
療養所職員の削減やめよ
ハンセン病 政府式典で来賓が批判
政府の長年の強制隔離政策で苦しめられてきたハンセン病元患者・被害者の「名誉回復及び追悼の日」にあたる22日、東京都千代田区の全国都市会館で長妻昭厚生労働相が出席した政府主催の式典が開かれ、来賓から国立療養所の職員が減らされていることなどに厳しい批判が出ました。
2008年にハンセン病元患者の被害回復や療養所の医療・介護体制整備を国の責任で行うことを明記したハンセン病問題基本法が成立。衆参両院では「療養所の体制充実」が決議されているのに、現状は国家公務員定数削減路線のなか職員が減らされ、療養者の生活に困難が生じています。
ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会の谺(こだま)雄二会長(78)、全国ハンセン病療養所入所者協議会の神美知宏会長(76)が来賓あいさつのなかで政府の対応を批判。谺氏は「療養所を支えている非常勤職員削減の動きまで出てきている。ハンセン病問題基本法は厚生労働省の片隅でほこりをかぶっているとしか思えない」と訴えました。
母がハンセン病だったため4歳で両親と切り離され、「ハンセン孤児」として苦渋の人生を強いられてきた奥晴美さん(63)が「この式が名前だけでなく差別を解消する力となることを期待する」と涙ながらに語りました。
日本共産党の市田忠義参院議員(書記局長)からメッセージが寄せられていることが紹介されました。