2010年6月22日(火)「しんぶん赤旗」
基地“移設”日米合意
米国内からも批判
“政府は沖縄の声聞け”
【ワシントン=西村央】米海兵隊普天間基地を沖縄県名護市辺野古に「移設」するとした「日米合意」に対して、米国内の市民団体や日本に詳しいシンクタンク・スタッフから、「新たな基地建設の撤回を」「沖縄の声は米政府に届いているのか」との声が上がっています。
4月28日付の米紙ワシントン・ポストに沖縄での新基地建設反対の全面広告を出した市民団体「ネットワーク・フォー・オキナワ」は、このほど発表した声明で、辺野古に新基地を建設するとした日米両政府の発表に対し、「民主主義の理念に反し、環境を脅かす」と批判しました。
声明は、沖縄県民の91%が沖縄の米軍基地の削減または撤去を求めており、71%が沖縄に海兵隊は必要ないと考えていると指摘。「米大統領と日本の首相に対し、2国間合意を変更し、普天間の土地を所有者に返還し、新基地建設を撤回するよう求める」と要求しています。
沖縄の基地問題に詳しいスティーブン・クレモンス氏(ニュー・アメリカ財団戦略企画部長)は「沖縄の声は米政府に届いているのか」と自らのブログで疑問を呈しています。
同氏は、沖縄県内の自治体首長のほとんどが普天間基地の県内移転に反対し、海兵隊基地が「抑止力」だとの主張に異議を唱えていることを紹介。普天間基地が周辺住民に強いている深刻な重荷を米国が理解していないと批判しています。