2010年6月22日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 大相撲には「シカを決める」という隠語があります。意味は「しらばくれたり、知らないふりをすること」。花札のシカが横を向いているところからきています▼こんな言葉が仲間内で飛び交っていたのか、賭博が日常茶飯事になっていた大相撲界。それが高じて、とうとう一度に数百万円もの金額が動く、野球賭博にまで多数の力士や親方が手を染めていました▼当人たちは「遊び」が過ぎてしまった程度の感覚かもしれません。しかし事態は深刻です。暴力団の資金源という犯罪にかかわっていたのですから。そんな力士たちに土俵に上がる資格はありません▼実際、不祥事つづきに周りはきびしい。大口スポンサーは懸賞金の取りやめを決定。NHKには「中継をやめるべきだ」との声が殺到しています。来月11日が初日となる名古屋場所の入場券払い戻しや観戦ツアーのキャンセルを求める動きも出てきています▼本場所の中止となれば、会場修理で中止された1946年の夏場所以来の異例事です。日本相撲協会の武蔵川理事長は「協会設立以来の大変な危機。現時点では見送らざるをえない可能性もありうる」と口にしました▼土俵際どころか、土俵から転がり落ちてしまった大相撲。臨時理事会があった21日、騒然とする両国国技館の前で抗議の声をあげるファンの姿がありました。「大相撲は暴力団と手を切れ!」。叫びにも似たその思いにこたえるためには、再生に向けて、一歩一歩、誠実に努力を重ねていく道しかないでしょう。





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