2010年6月19日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ドラマの「ゲゲゲの女房」でおなじみ、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるさんは鳥取県生まれ。自民党の石破茂政調会長も、鳥取出身です▼だから、かもしれません。石破氏は、菅首相を水木漫画に出てきそうな妖怪にたとえました。「抱きつきお化けみたい」と。自民党が消費税10%への増税を打ち出すと、菅首相が抱きついてきたというのです▼「(自民の)10%という数字を一つの参考とさせていただきたい」と首相。「抱きつきお化け」に近い妖怪は、徳島県などに伝説が残る子泣き爺(じじい)でしょうか。赤ちゃんのような泣き声をあげる爺で、相手にしがみつくと重さを増してゆき、身動きできなくさせます▼勇ましく(?)「10%」を唱え、民主との違いを演出した自民のもくろみは外れました。菅首相はさっそく、「10%」のいいだしっぺ、財界団体の日本経団連を訪れ、和気あいあい。両党の増税競い合いも、財界の思惑通りでしょう▼5%から10%へ引き上がれば、4人家族なら負担が年16万円増え、貧困もひどくなるばかりの消費税増税。民主・自民とも、法人税は減らすといいます。庶民からすいあげ、内部留保を10年間で87兆円も積み増して229兆円ためこむ大企業のふところを、もっとふくらませる考えです▼ところで、「ゲゲゲの鬼太郎」にも子泣き爺が登場します。鬼太郎の仲間、“正義の味方”となって。ここは、有権者の1票1票の力で、子泣き爺のように増税勢力を身動きできなくさせるしかありません。





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