2010年6月19日(土)「しんぶん赤旗」
政府「成長戦略」 法人減税を明記
政府は18日の閣議で2020年までの「新成長戦略」を決定しました。日本経団連の要求をいれ、法人実効税率を「主要国並みに引き下げる」と明記しました。民主党は前日発表した参院選公約で消費税増税を打ち出しており、法人税減税を消費税増税で穴埋めする菅政権の方針が明らかになりました。
法人税減税は、優先度が高いと判断された21の「国家戦略プロジェクト」の一つ。日本企業の国際競争力強化と外資系企業の誘致促進を理由に挙げました。大企業や外資を優遇する「国際戦略総合特区」を設け、そこで法人税の軽減について検討することも盛り込まれました。
法人税減税の実施時期や税率は示されませんでしたが、日本経団連は4月に発表した成長戦略で法人実効税率を30%程度まで引き下げるよう政府に求めています。
新成長戦略は20年度までの年平均で名目3%、実質2%以上の成長を目標とし、七つの分野で330の施策を掲げました。このうち環境・エネルギー、健康、アジア経済、観光の4分野で約120兆円の市場と約500万人の雇用を生み出すといいます。
施策の多くは大企業支援です。新幹線など社会基盤をアジア諸国に売り込むため、首相を長とする官民合同委員会を設置し、首相自らセールスに乗り出します。日本の農業に壊滅的打撃を与える日豪、日米経済連携協定(EPA)の推進、検討も盛り込みました。医療、保育では民間企業の参入を促進します。
「11年中に消費者物価上昇率をプラスにする」方針も示しました。