2010年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
早くもクリーンな政治の地金が見えてしまいました。荒井大臣の事務所費疑惑。家賃のいらない知人宅を「主たる事務所」として届け、6年間で4000万円を超す事務所経費を計上していたというものです▼その経費に、マッサージ代や女性用下着であるキャミソール代まで含まれていたことから、ちまたでは「キャミソール大臣」の異名がついています。ネット上でも、「民主党の正体見たり枯れ尾花」「何一つ変わっちゃいない」という書き込みが…▼確かに何一つ、変わっちゃいません。いや、国民に幻想を与えている分、もっと悪いといえそうです。最たるものが小沢一郎前幹事長の「政治とカネ」の問題です。ゼネコンのヤミ献金疑惑は今も闇の中。自公政権の下でも証人喚問はやっていた、という志位委員長の代表質問に、菅首相の歯切れは悪く「けじめはついた」と繰り返すだけでした▼自分のかつての発言を翻すことも、菅首相には何でもないことのようです。「海兵隊は抑止力と関係ない」という、自身の4年前の発言。答弁ではあっさり投げ捨てました。政治家が発言に責任を持たないのなら有権者は何を信じればいいのでしょう▼しかしあれだけ鳩山前首相の前言撤回を報じていたテレビも、菅首相については沈黙です。普天間基地報道も、風がやんだようにパタッと止まってしまいました。問題は何も解決していないのにです▼「奇兵隊」内閣と自ら命名した際、逃げ足の速さを誇った菅首相。めくらまし戦法は長くはもたないでしょう。