2010年6月14日(月)「しんぶん赤旗」
はやぶさ地球帰還
大気圏突入 カプセル豪州に
小惑星イトカワへの離着陸を果たした探査機「はやぶさ」は13日午後10時51分、オーストラリア上空で大気圏に突入し7年ぶりに地球に帰還しました。小惑星と地球との往復飛行の達成は、宇宙探査史上初の快挙です。
はやぶさは同7時51分、高度約7万4000キロメートル地点で着陸カプセルを分離。カプセルは本体とともに大気圏に突入し、発光しながら降下するのが地上から観察され、発信電波も確認されました。カプセルは、高度約10キロメートルでパラシュートを開き、電波信号を出しながら軟着陸するように設定されています。
着陸想定域のウーメラ砂漠では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の回収チームが待機。カプセルの位置を、電波信号を頼りに特定し、早ければ14日にもヘリコプターと車両で回収します。
カプセルには、イトカワで岩石採取を試みた際に微粒子が混入した可能性があり、小惑星から持ち帰った試料を人類が初めて手にできるかもしれないと注目されています。
小惑星は“太陽系の化石”とも言われ、試料を分析すれば、太陽系の過去の環境や惑星の成り立ちなどを知る手がかりが得られると期待されています。