2010年6月13日(日)「しんぶん赤旗」

語ろう日本共産党

菅政権どうご覧ですか

反省なしに新しい政治は生まれません


 鳩山内閣が国民の怒りの前に退陣し、菅内閣が発足しました。しかし、普天間基地問題も「政治とカネ」も、状況はなにも変わっていません。いまこそ“アメリカにも財界にもモノがいえる政治”が必要です。「菅内閣が発足しました。どうご覧になっていますか」―この掛け声から、対話をすすめましょう。


「けじめ」どころか…

  鳩山前首相と小沢前幹事長の辞任で、「政治とカネ」の問題はけじめがついたの?

  とんでもないことです。「けじめ」がついたどころか、疑惑は何一つ解決されていません。鳩山前首相は母親からの資金提供について、裁判が終わったら帳簿をみてもらうとしていましたが、いまだ果たしていません。小沢氏は資金管理団体の土地購入疑惑のほか、ゼネコンからのヤミ献金疑惑といういっそう深刻な問題も抱えています。

 ところが、菅首相はこれらのことを反省するどころか、所信表明演説でも「辞任という形で『けじめ』がつけられた」と開き直りました。

 菅首相が「クリーンな民主党」を訴えたいのなら、これらの疑惑の真相解明、なかでも小沢氏の証人喚問が不可欠です。

 「政治とカネ」の問題の根底には、政治をカネの力でゆがめる企業・団体献金があります。ところが、前原国土交通相からは「企業・団体献金を禁止しても『政治とカネ』の問題が解決するわけではない」という発言まで飛び出しました。

 民主、自民、公明、社民、国民新、みんなの党などは、「政党助成金」として毎年約320億円もの税金を山分けしています。

 企業・団体献金を受け取らず、憲法違反の「政党助成金」も受け取らない唯一の党、日本共産党が躍進してこそ、「政治とカネ」の問題を根本から解決することができます。

米国・財界に堂々と

  「政治を変えたい」の願いを託すには、どの政党がいい?

  参院選を前に国民は「政治を変えたい」と強く願っています。「毎日」世論調査では、菅新内閣を支持する理由で「政治のあり方が変わりそうだから」が58%で断然トップです。

 しかし、アメリカや財界べったりの自民党政治や、アメリカ・財界にモノがいえない鳩山前政権の延長線上では政治は変わりません。

 菅首相の所信表明演説からは「対等な日米関係」も「国民の生活が第一」も消えました。代わりに、日米安保条約という軍事同盟を「国際的な共有財産」といってもちあげ、財界が迫っている消費税引き上げを狙った超党派の協議機関の設置を呼びかけました。鳩山前政権の失敗から逆の教訓を学んで、よりいっそうアメリカと財界に忠実な道をすすもうとしています。

 これでは、「政治を変える」ことにはなりません。この道をすすむならば、早晩、国民の批判をあびて前政権と同じような窮地にたたざるを得ないでしょう。

 やはり「政治を変える」には、アメリカにも財界にも堂々とモノがいえる政党が伸びるのが一番です。

 日本共産党は、「派遣切り」のさいに日本経団連・大企業などと直談判し、企業に社会的責任を果たすよう求めました。普天間問題では、志位委員長が5月の訪米で直接アメリカ政府に解決の道は無条件撤去しかないと沖縄県民・国民の声を伝えました。

 こうしたことができるのも、日米安保条約を廃棄し、独立・平和の日本を築く、国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」をつくるという明確な日本改革の展望とプランをもっているからです。

“脱小沢”演出しても

  鳩山さん(前首相)と小沢さん(前民主党幹事長)が辞めたから、菅内閣に期待したいのだけれど…。

  期待と公約を裏切り続けてきた鳩山内閣は、国民の怒りに包囲され退陣に追い込まれました。それだけに「今度こそちゃんとやってほしい」という気持ちがあるかもしれません。

 でも、鳩山前政権があれだけ激しい国民の怒りを受けて退陣に追い込まれたのですから、それに対する反省が新しい内閣の出発点でなければならないはずです。

 ところが、菅首相は普天間基地問題でも「政治とカネ」の問題でも、“鳩山さんが二つの重荷をとりのぞいてくれた”と、まったく反省がありません。

 米軍普天間基地問題では、名護市辺野古に新基地をつくるとした「日米合意」をあくまで実行しようとしています。「沖縄よりアメリカ優先」の姿勢は変わっていません。

 「政治とカネ」の問題も、小沢氏の証人喚問も実現していないのに、「けじめがつけられた」と幕引きを狙っています。

 暮らしの問題でも、菅内閣は、後期高齢者医療制度の廃止先送り、労働者派遣法改定の「抜け穴」も、そのままにしています。おまけに財界の要望を受けて、消費税増税と法人税減税を自民党などに呼びかけて一緒にやろうとしています。

 その根っこには、アメリカにも財界にもモノがいえない政治があります。そのことへの反省がなければ、いくら看板を替えて、「脱小沢」を演出してみても、新しい政治は生まれません。

 日本共産党は、普天間基地の無条件撤去を米国政府に直接迫りました。「非正規切り」をやめよと、財界・大企業にも直談判しました。アメリカにも財界にも堂々とモノをいい、スジをとおす日本共産党が伸びてこそ、政治を変えるたしかな力になるのではないでしょうか。

基地無条件撤去こそ

 沖縄の普天間基地問題で、菅首相は「日米合意を踏まえる」とくり返しているけれど、どうみたらいいの?

 菅首相は「政権交代の原点に立ち返る」といいながら、普天間基地問題では「国外、最低でも県外」という民主党の公約をかえりみようともしていません。

「県内移設反対」という沖縄県民の総意を踏みにじり、名護市辺野古に新基地をつくる、米軍の訓練を全国に分散・拡大する―、こんな「日米合意」を「原則としてしっかり守る」と明言。オバマ大統領にも実行を誓約しました。

しかし、県民の総意をふみにじった「日米合意」の実行は許されません。

また、日米両政府がどんな合意をしたとしても、破たんに直面せざるを得ないでしょう。

沖縄県民は世論調査で84%の人が辺野古「移設」に反対、うち74%が国外移設、無条件撤去を求めています。

日本共産党の志位和夫委員長は5月に訪米し、米国政府に「県内移設では絶対に県民の合意は得られない。絶対に不可能な、展望のない方針だ。無条件撤去しかない」と訴えました。

沖縄・嘉手納町の宮城篤実町長は「沖縄県民に立派すぎることをいう国会議員がずらっといるが、アメリカにいって何もしない。私は今回の共産党の訪米が一番意味があると思います。公党のトップがいかれて、アメリカにきちっと非常に苦い話を語られたことが意義がある」とのべました。

日米合意の白紙撤回、無条件撤去を求めてアメリカと堂々と交渉せよ―。

普天間基地問題でも解決の道を示す唯一の党・日本共産党を躍進させてください。

「強い経済」誰のため

 菅首相は「強い経済、強い財政、強い社会保障」といっているけれど、消費税増税が心配です。

 だれにとって「強い経済」かが問題です。財界や大企業にとって「強い経済」でも、国民の暮らしが痛めつけられるようでは困ります。

菅内閣のスローガンからは、「国民の生活が第一」という言葉が消えました。「財政健全化」という掛け声で、消費税増税と法人税減税を狙った「税制改革」をやろうとしています。閣僚からは消費税増税の発言が噴出しています。

 大本には、財界の身勝手な要求があります。日本経団連は4月に出した「成長戦略2010」で、「消費税を一刻も早く引き上げる」よう求めました。財政再建のツケをすべて国民におしつけ、自分たちの負担(法人税)をもっと減らそう―、これほど身勝手な話はありません。

これまでも、消費税増税分約224兆円は、法人税の減収分約208兆円の“穴埋め”にされてきました。

だいたい消費税は、低所得者ほど重くのしかかる不公平税制です。その増税は、暮らしを破壊し、消費を冷え込ませることで、景気を低迷させ、財政再建に逆行することになりかねません。

日本共産党は、ゆきすぎた大企業・大資産家優遇税制と軍事費にメスをいれるべきだと主張しています。リストラと賃下げ、下請けいじめなどで国民の富を吸い上げて大企業の内部留保が膨張する―、こんなゆがみをただし、暮らしを守る「経済成長戦略」を提唱しています。





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