2010年6月12日(土)「しんぶん赤旗」
官房機密費
4、5月で3億円支出
塩川議員へ答弁書 使途公開を拒否
退陣した鳩山政権が、今年度に入ってわずか2カ月のあいだに、3億円もの官房機密費(内閣官房報償費)を支出していたことが、菅内閣が11日に決定した答弁書で明らかになりました。日本共産党の塩川鉄也衆院議員の質問主意書に対する答弁書です。
鳩山政権は昨年度中、当時の平野博文官房長官名で毎月6千万円を国庫から支出していました。しかし今回の答弁書によれば、同長官は今年4月2日、4月28日、5月25日の3回にわたり各1億円、計3億円を支出しています。
また答弁書は、塩川氏が求めた過去の自民党政権などによる政界・マスコミ工作や「会合」目的の使用実態の調査・公開について、「現内閣として答える立場にない」と拒否。民主党政権下の同機密費の使途や支出状況の公開、鳩山内閣からの引き継ぎ残高の有無やその金額の開示についても、「内閣の政策運営に支障を及ぼすおそれがある」などとして、すべて拒否しています。
一方で、同機密費の透明性確保の方策については、使途等の検証を通じて「今後検討する」などと、平野前官房長官の答弁を踏襲する説明にとどまっています。
塩川鉄也議員の話
4、5月に3億円の支出というのは、自民党政権時代とまったく同じだ。菅内閣の姿勢は、情報公開を求める国民の声に背を向けたという点でも鳩山政権となんら変わらない。菅直人首相は、自ら所信表明で語った「情報公開の重要性」をすでに投げ出している。