2010年6月12日(土)「しんぶん赤旗」

菅首相が所信表明

普天間 「日米合意」を実行

消費税 増税検討へ「会議」


 菅直人首相は11日、衆参本会議で自身の基本政策を示す所信表明演説を行いました。

 菅首相は冒頭で、「政治とカネ」問題や沖縄・米軍普天間基地問題で「政権への期待が大きく揺らいだ」としながら、鳩山由紀夫前首相が「辞任という形で自らけじめをつけられた」と表明。二つの問題を“決着済み”と描き、国民の期待と公約に背く裏切りの政治を反省もなく引き継ぐ姿勢を示しました。

 普天間問題では、名護市辺野古に新基地を押し付け、米軍の訓練被害を全国に拡大する日米合意を「踏まえる」と表明。「日米同盟」は「国際的な共有財産」「着実に深化させる」などと述べ、アメリカ言いなりの姿勢を示しました。

 演説で首相は、「政権交代の原点に立ち返って」「国民の信頼を回復する」と語りながら、廃止を先送りした後期高齢者医療制度の問題や、改正を骨抜きにした労働者派遣法の問題については、いっさい言及しませんでした。昨年の総選挙で民主党が訴えた「国民生活が第一」との言葉もありませんでした。

 経済政策については、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」を掲げました。

 この中で、「将来の税制」について、今国会に、自民党から消費税増税の方針を明示した「財政健全化責任法案」が提出されたことに言及し、消費税率の引き上げを視野に、超党派の「財政健全化検討会議」の設置を呼びかけました。

 「地域主権」については、「『総論の段階』から『各論の段階』に進む時が来た」とし、「特区制度」の活用に言及。小泉「構造改革」と同様の立場を示しました。





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