2010年6月11日(金)「しんぶん赤旗」
口蹄疫 必死の消毒
鹿児島・曽於市
宮崎県都城市で家畜伝染病・口蹄(こうてい)疫が発生したことで、同市に隣接し畜産王国・鹿児島県を支える曽於(そお)市は水際作戦の厳戒態勢に入っています。
10日朝からマスコミや農家の対応に追われる同市の神宮司寛畜産課長は「終息すると思っていたのに足元からドカンと来た感じでショックが大きい。朝8時から緊急会議を開き150人態勢で水際作戦を検討した」と語りました。
県内での消毒台数が一番多い都城市に隣接する県道108号沿いの橋野消毒ポイント。24時間態勢で市職員やボランティアなど10人が白い作業服で1分間に1台の割合で入る車両を噴霧器で必死に消毒していました。市内の建設業に勤務する57歳の男性は「農家の生活がかかっていると思うとひとごとではない」と語りました。
親子2代で、肥育牛180頭、生産牛23頭を夫婦で飼育する50歳の女性は石灰で白く覆った牛舎の前で「9日夕方、JAから口蹄疫の情報が入りました。今度はきてもおかしくない」と肩を落とします。「10年前の口蹄疫発生の時はもっと危機感があり消毒の態勢も早かった。ヘリを使って消毒してでも終息させてほしい」と祈るように語っていました。