2010年6月11日(金)「しんぶん赤旗」
高齢者の貧困考える
老齢加算復活へシンポ
裁判原告ら
「高齢者問題から貧困を考えるシンポジウム」が10日、東京都内で開かれました。主催は同実行委員会。
生活保護の老齢加算復活を求める東京生存権裁判の新井章弁護団長が「人権の観点から貧困問題を考えよう」とあいさつしました。
東京生存権裁判は5月27日、東京高裁で敗訴しました。横井邦雄原告団団長(82)が「若い人たちにも訴えて、たたかっていきたい」と最高裁への上告を決意表明すると、大きな拍手がわき起こりました。
全国8裁判所で争われている生存権裁判。青森、京都、福岡、広島の原告らが、「節約のため照明もテレビもつけず部屋の中でじっとしている」などの実情を訴えました。
福岡高裁で14日、判決がでます。縄田浩孝弁護士は「米軍の思いやり予算に多額を費やす一方、戦争を生き抜き戦後の社会を築いてきた高齢者には思いやらない国でいいのか」と語気を強めます。
広島の我妻正規弁護士は、昨年6月の集会に長妻昭厚労相(当時、民主党母子加算復活作業チーム主査)から「母子加算の復活を突破口に、老齢加算の復活も目指したい」というメッセージが届いていたことを示し、新たなたたかいの決意を述べました。
同シンポ実行委員長で、全国弁護団の竹下義樹弁護団長が、参院選の全候補者に公開質問状を送るなど行動提起しました。医師の近藤尚己山梨大学講師が「高齢者の貧困と健康格差」と題して講演しました。
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