2010年6月10日(木)「しんぶん赤旗」

国家戦略相

荒井氏 知人宅に“事務所”

経費6年で4200万円計上 家賃払わず


 荒井聡国家戦略相(衆院北海道3区)の政治団体「荒井さとし政治活動後援会」が、東京都内の知人男性が住むマンションを「主たる事務所」の所在地として総務省に届け出、経常経費として2008年までの6年間に計約4200万円を計上していたことが9日、分かりました。荒井氏は菅直人首相の側近。家賃は払われておらず、計上した経費の使途の全容を説明する責任があります。


 事務所費問題をめぐっては、自民党政権時代に、松岡利勝元農水相(故人)、赤城徳彦元農水相、太田誠一元農水相が賃料のかからない議員会館や自宅、秘書宅を事務所所在地として届け出、巨額の経費を計上していたことが発覚。あいついで辞任するなどの引き金となりました。

 総務省によると、同後援会は、1993年12月に設立、2002年12月に所在地を横浜市から東京都府中市に移しました。事務所とされるマンションには、事務所を示す看板などはなく、個人の表札がかかっているだけ。

 03年〜08年の政治資金収支報告書によると、この間の事務所経費は総額約4222万円で、うち人件費は計約2741万円、備品・消耗品費が計約463万円、事務所費が計約1013万円。光熱水費はゼロでした。

 同日、荒井氏に代わって「問題ない」と説明した民主党の細野豪志幹事長代理も「家賃の費用を払った事実はない」としており、4000万円を超す経費の使途について、本人が説明する必要があります。

 同後援会の会計事務担当者には、荒井氏の政策秘書の氏名と連絡先が記載されていました。

 おもな収入は、毎年開催している政治資金集めパーティーで、金額は約1100万円〜約1400万円。事務所経費以外の支出は、パーティーの開催経費や荒井氏の別の政治団体への寄付で、06年には、菅首相が率いる議員グループ「国のかたち研究会」に6万円支出しています。

表

解明へ説明必要

穀田国対委員長が会見

 日本共産党の穀田恵二・国対委員長は9日、国会内で記者会見し、民主党の荒井聡・国家戦略担当相の事務所費問題について問われ、「報道が事実であれば重大だ。自民党の閣僚をめぐる事務所費問題があれだけ国民に批判された2002年以降も、知人宅を事務所として借り、事務所費用として届け出てきたことは問題だ。事実の解明とともに本人の考え方を明らかにすべきである」と語りました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp