2010年6月9日(水)「しんぶん赤旗」
CICA(アジア相互協力信頼醸成措置会議)首脳会合始まる
ガザ封鎖解除の時だ
トルコ首相、イスラエル非難
【カイロ=松本眞志】トルコのイスタンブールで7日、2日間の日程でアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)の首脳会合が始まりました。イスラエル海軍によるパレスチナ支援船襲撃・拿捕(だほ)事件への対応、パレスチナ自治区ガザ地区封鎖の解除問題が焦点です。
会合にはロシアを含むアジア諸国や中東の加盟国代表が参加。イスラエルは閣僚級代表ではなく、トルコ駐在総領事が出席しました。
トルコのエルドアン首相は7日のシリアのアサド大統領との共同会見で、「ガザ封鎖解除のときがきた。世界のいかなる場所にも“露天刑務所”は望まない」と発言。事件の犠牲者に対する補償と国際法に基づくイスラエルの処分を要求しました。イスラエル側が主張する民間支援団体メンバーとテロリストの関係については、「まったくのでっち上げだ」と退けました。
アサド氏も「流されたトルコ人の血はアラブ人の血と違わない。二つの民族の結束はガザ封鎖を終結させるだろう」と語りました。
会合に参加したアフガニスタン、アゼルバイジャン、イラン、パキスタン、カタール、パレスチナなどの各国・地域代表も相次いでトルコへの支援を表明。アラブ連盟は9日にトルコ側とこの問題について話し合うとしています。
トルコ側は今回の会合でイスラエル非難の宣言を求めているとされますが、イスラエルを含む加盟国による全会一致が原則であるため、採択が困難との指摘もあります。
アジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA) カザフスタンが1992年に呼びかけ、2002年の首脳会議で正式に発足した平和と安定のための協力をめざす地域機構。現在、アジアと中東の総人口の90%を占める21カ国が加盟(日本を含む6カ国がオブザーバー)。各国の主権尊重、基本的人権の尊重、世界的に認められた国際的安全保障を原則に、加盟国間の紛争については解決のための「空気を醸成する」ことを基本としています。