2010年6月6日(日)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 核兵器の廃絶を求める国際的な連合「廃絶2000」が生まれたのは、核不拡散条約(NPT)の無期限延長を決めた1995年のNPT再検討会議の時でした▼日本の原水爆禁止運動が誕生当初から核兵器禁止・廃絶を掲げてきたのに対し、欧米の反核運動の主流は核の凍結や削減。そうしたなか「廃絶2000」は名前通り核廃絶を正面に掲げました▼再検討会議に集まった数十人の非政府組織(NGO)活動家がその場で始めた運動でした。まとめ役の一人、米国のジャクリーン・カバソさんは当時「廃絶という目標で簡単に一致できた」と語っています。核五大国による核保有が無期限に続くことへの危機感がそこにありました▼一度運動が始まると動きは早い。97年には「核兵器廃絶モデル条約」を発表。「すべての国には、あらゆる努力をはらって核兵器廃絶の目標を達成するという義務がある」と高らかにうたいました▼2000年の再検討会議は核廃絶の「明確な約束」を打ち出したものの、05年の同会議は米国が審議を拒否。会議場に向かう外交官に働きかける「廃絶2000」のメンバーに「もっと声をあげて」と励ます外交官もいました▼それから5年。今年の再検討会議が採択した「最終文書」は核兵器のない世界の実現を求める「市民社会」の提案を称賛しました。日本の運動も含め、世界90カ国2000組織が参加する国際運動の地道な努力は、各国政府をここまで動かしました。この流れはもはや止まりません。





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