2010年6月3日(木)「しんぶん赤旗」
労働者保護へ 今こそ
誰が首相でも派遣法抜本改正を
国会前 全労連など座り込み
鳩山首相が2日辞任表明し、衆院厚生労働委員会で派遣法政府改定案の審議がストップしました。全労連と労働法制中央連絡会は同日、抜け穴を許さず労働者保護法に抜本改正しようと、国会前で座り込みを行い、昼には緊急集会を行いました。
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全労連の小田川義和事務局長は、集まった200人を前に、鳩山首相の辞任について、普天間基地問題などで公約に違反して「国民を裏切って追いつめられた」と指摘。国民への裏切りは鳩山個人の問題でなく、民主党全体の責任だとして、「看板のかけかえだけで終わらせず、派遣法抜本改正の動きをつくる運動を起こそう」と呼びかけました。
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)いすゞ自動車支部の男性は、「大企業が内部留保をため込み、労働者を犠牲にする社会を変えたい。雇用を崩した派遣法を変え、明るい展望をつくりたい。世論を高めたたかう」と訴えました。
同支部の男性は、「鳩山首相は、労働者が救われない法案を出し、口先だけだった。今日の強行採決は阻止したが、予断を許さない。当事者の声で労働者保護にかじを切らせよう」と発言。別の男性は「次の首相に誰がなろうと、抜本改正を実現するまでたたかい抜く」と強調しました。
地域労組おおさか青年部の中嶌聡(あきら)書記長は、「首相が辞任に追い込まれる歴史的な日に立ち会えた。政府案では、『派遣切り』をなくせない。徹底審議で実のあるものにすべきだ」と述べました。
JMIU日産自動車関連支部の男性は「民主党の運営能力のなさに、言葉を失った。派遣法に大穴を残す人には政権を託せない。抜本改正に運動を強めよう」と訴えました。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が駆けつけ、「首相が辞めたからといって、政府案をそのままにすることは許されない。徹底審議で当事者の声を聞き、抜本的な改正を求めていく」としました。
全労連の隣で座り込みを行ったキヤノン非正規労働者組合の男性は、「政府案は後退部分があり評価できない。労働者が安心して暮らせる社会にしてほしい」と話しました。