2010年6月3日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 衣替えの1日、テレビに映る鳩山首相は3回服装を変えていました。まず、沖縄のかりゆし。省エネ服“クールビズ”の定番です▼着心地はどうだったでしょう。沖縄の普天間基地を県内の辺野古に移すと決めたばかり。沖縄では、「怒」と大書した旗が各所ではためいています。次は、青い作業着でした。家畜の口蹄疫(こうていえき)が猛威をふるった宮崎へ▼本人も「遅ればせ」という宮崎行きに、現地は冷ややかでした。「なぜ現場まで来ない。農家の苦しみが分かるのか」。3着目は、背広にネクタイ姿でした。小沢幹事長との会談に、気を引き締め臨んだようです▼翌日、首相は“自分も幹事長も辞める”と明かしました。サッカーチームならツートップ交代。辞め際に、応援団の声援が弱かったせいでもあるかのようにぼやきました。「私の不徳のいたすところ」と認めつつ、「国民のみなさんが(政権の主張に)聞く耳を持たなくなってしまった」と▼しかし、聞く耳をもたなかったのは鳩山政権の方です。沖縄や徳之島の島民も宮崎の農家も、老人差別の医療制度の廃止を求める全国の人々も、大声をあげました。「公約を守れ」「自民党の政権とは違うはずだから」。声が政権に届いていないはずがありません▼トップの顔を変え、着替えのように目先を変えようとしても、問われるのは志です。アメリカや財界の前に立ちすくんだ鳩山政権を乗り越え、主権者が政治を自分たちの手に取り戻す道へ、どう進む。私たちの党のがんばりどころです。





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