2010年6月3日(木)「しんぶん赤旗」

鳩山首相が辞任

国民の怒り 包囲の中

普天間・政治とカネ・くらし…公約違反の連続

小沢氏も幹事長辞任


 鳩山由紀夫首相(民主党代表)は2日、国会内で開かれた緊急の党両院議員総会で、「この職を引かせていただく」と退陣する意向を表明しました。相次ぐ公約裏切りで、国民の怒りと不信が渦巻き、内閣支持率が1割台に低落するなかで、辞任に追い込まれました。昨年の総選挙で自公政権退場の国民的審判を受けて登場した鳩山内閣は、わずか8カ月半の短命に終わりました。日本共産党の志位和夫委員長は、同日の国会議員団総会で「国民的な怒りに包囲された結果だ」と指摘、同日夕には、東京・新宿駅東口で街頭演説を行い、政治の転換を訴えました。


 鳩山首相は辞意表明の中で、小沢一郎幹事長に対し「職を引いていただきたい」と辞任を求めました。これを受け小沢氏は、総会後に辞任表明。「補佐の役目を十分果たせなかったと反省している」と述べました。民主党執行部全体も総退陣します。

 鳩山首相は、辞任の「原因」として沖縄・米軍普天間基地問題と「政治とカネ」の問題に言及。しかし、普天間問題では「日米の信頼関係を何としても維持させていかなくてはならない」と日米同盟最優先の立場を繰り返し表明しました。日米合意にもとづき政府対処方針に明記した普天間基地の「名護市辺野古移設」は撤回しませんでした。「政治とカネ」の問題では「クリーンな民主党を取り戻そう」などと述べるだけで、真相解明にはいっさい言及しませんでした。

 平野博文官房長官は同日の会見で、普天間基地の日米合意について「政府対政府(の合意)なので、尊重いただく」と述べ、次期政権でも維持されるとの認識を示しました。

 同党常任幹事会は、鳩山代表の後継を選出する両院議員総会を4日に開催することを決めました。任期途中の代表辞任のため、党員・サポーター投票は行いません。同党は、同日中に衆参両院で首相指名選挙を実施する考えで、野党側と調整に入りました。

 また民主党は、6月16日までの国会の会期の延長はしない方針で、参院選は24日公示、7月11日投票の日程となる見通しです。





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