2010年5月29日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 1960年に結ばれた新しい日米安保条約に、前文がついています。次のような書き出しです▼「日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し…」。建前とはいえ、民主主義や自由、法の支配をうたっているところにあらためてご注目を▼鳩山首相はことし1月、安保条約調印50周年にあたり談話を発表しました。談話はいいます。わが国は戦後ずっと「自由と民主主義を尊重」してきた、それもこれも「日米安保体制」があったから、と▼しかし、いま目の前で起こっているのは、「日米安保体制」が民主主義をおしつぶそうとしているできごとです。日米政府が共同発表で合意した、米軍普天間基地の「移設」先探しです。発表は、住民の意思に逆らい「辺野古」「徳之島」の名を記しました▼沖縄のすべての自治体の長が参加した9万人の県民大会。県議会はじめ市町村議会の決議。辺野古案を拒む名護市長の誕生。島民の6割が参加した徳之島の集会。徳之島の9割以上の島民の署名。町長と議会あげての反対…。日米政府は、一切合財を無とみなすつもりなのでしょうか▼共同発表は、日米同盟を「深化」させるといいます。なにはさておき、日米同盟が絶対の鳩山政権。同盟の「深化」は、民主主義と相いれません。盟主アメリカの意向とあれば、公約も捨て去る政治の退廃、人々の声をふみにじる民主政治の退化…。





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