2010年5月28日(金)「しんぶん赤旗」
マレーシア元首相が講演
「基地で日本守る考えは古い」
都内の国際会議
「『日本に基地がなければいけない』『基地によって日本を守る』というのは古い考え方だ」―。マレーシアのマハティール元首相はこのほど、都内で開かれた国際会議で講演し、在日米軍基地についてこう強調しました。
マハティール氏は「米国のような強力な国が60もの基地を世界中に持っている。これは、まったく平和がないかのような印象を与える。国によっては、日本に基地があること自体が脅威だと感じるところもある」と指摘。在日米軍基地の増強は「緊張状態が生み出され」、逆に中国など周辺国の「敵意をあおってしまう」と警告しました。
さらに「軍事力による抑止力は、いまや失われている。みんなでテーブルについて、交渉を通じて問題を解決することのほうが正しい」と力説しました。
同じ会議で講演した東南アジア諸国連合(ASEAN)のスリン事務局長は「状況は変わった。東アジアは発展し、独自の機関を持つようになった」と述べ、「米国はその制度の中で協力してほしい。この地域の機構の了承を得て行動してほしい」と発言しました。
スリン氏は「米国が関与し続けることは大事であり歓迎する」と述べたうえで、「風景や様子は変わった。過去のような一方通行の関係ではない。それは協調という形でなければならない」と、東アジアにおける米国の行動に注文をつけました。