2010年5月26日(水)「しんぶん赤旗」
首相は詐欺師 基地持って帰れ
「辺野古移設」回帰 名護市来庁者に質問
アメリカと交渉して撤去を
「裏切り行為」「がく然とした」―。鳩山由紀夫首相が沖縄県を再訪、米軍普天間基地の「移設先」として「(名護市の)辺野古にお願いしたい」と告げた翌24日、同市役所前で来庁者に、「首相は総選挙で普天間基地は国外、最低でも県外と公約していたが、どう思うか」と質問しました。(山本眞直)
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10人中9人が「鳩山首相は県民をだました」と異口同音に答えました。
役所を足早に後にした男性(80)は「怒りの一言だ。(普天間基地は)アメリカにもって帰ればいい」ときっぱり。
「あきれた裏切り」
「あきれた。県民への裏切りね」というのは、82歳の女性と、隣接する本部町のデイケアセンタースタッフの女性(50)。「利用者たちもみんなそう言っている。県民は基地あるがゆえの被害をたくさん受けている。少女暴行事件は少女にとりかえしのつかない苦痛を負わせた。はじめは県外といい、やっぱり辺野古では子どもに説明がつかない」と強い不信感を示しました。
本土から移住してきたという女性(62)は、「沖縄にきて基地被害の深刻さを知った。日本政府は莫大(ばくだい)な思いやり予算に加え、今度も移転費用を負担するのは納得できない。県外といいながら結局、沖縄に押し付ける政府のやり方はおかしい、残念だ」
「鳩山首相は詐欺師」と断言したのは歯科衛生士の女性(42)。「首相の発言をテレビで聞き、がく然とした。県民は『県外』の公約を信じて、待たされ、期待してきたから。新基地はもともと嫌だった。環境にも子どもの教育にもよくない。振興策依存では自立できない。米軍基地を沖縄からなくしたい」
「言葉に夢を見た」
自営業の男性(50)は「がっくり、うそつきだ」と不信感をあらわに答えました。「鳩山さんの最低でも県外の言葉に夢を見た。新しい基地は造ってほしくない。普天間で危険なものが、なぜ辺野古なら安全なのか。基地はアメリカにもって帰ってくれ」
近く2人目を出産するという主婦(21)は大きくなったおなかをさすりながらきっぱりと言いました。「基地は反対。学生のとき、課外授業で基地被害を考えた。二重窓でも爆音で授業が妨害される。自分は小さいとき海で自由に遊んだ。辺野古に基地ができたら、子どもたちは自由に遊べない。アメリカと交渉して基地を撤去して」
一方、「容認する」としたのは新基地容認派市議の会社で働く27歳の男性。理由は「議員が名護市は財政が弱く、振興策で(国から)金がはいらないとやっていけない、と言っているから」でした。