2010年5月26日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「『先を読め!』 言った先輩リストラに」(山悦)。先ごろ投票で選ばれた、第23回サラリーマン川柳ベスト10の2位に入った句です。主催する第一生命が発表しました▼作者も、“明日はわが身か”と思ったかもしれません。先輩は、懸命に先を読もうとつとめ、会社につくそうとしたのでしょう。しかし、自分にどんな「先」が待っているか読みきれなかったようです。資本の非情▼ベスト10にはもう1句、「先を読め」と詠む句が選ばれています。「先を読め読めるわけない先がない」(先端社員)。6位でした。経済の先がみえず、会社には先がない。もう、がけっぷちの心境です▼きのう、東京市場の平均株価は半年ぶりの安値でした。ヨーロッパの金融への不安が根強い。不安が募り欧州通貨ユーロを売って円を買うと、円高に。円高がすすむと、輸出頼みの日本企業に打撃というので、また株が下がる。「そろそろ景気回復か」と話す人も現れたところでした。先を読むのはむずかしい▼投資家や金融会社は、次々と先を読んで外国為替や株式の市場で売り買いします。しかし、先を読んだ結果の円高や株下落で経済がおかしくなるなら、実は目先しか読んでいません。“円高でたいへん”と大企業がリストラに励めば、失業や賃金減で不景気に。ここで企業も、目先の利益しか読んでいません▼目先しか読めない会社が、よってたかって経済を動かすと、国はどうなる。先を読むとは、“財界にいうべきことはいう”ことでもあります。





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