2010年5月25日(火)「しんぶん赤旗」

核廃絶

交渉の道筋示せるか

NPT再検討会議最終週へ


 【ニューヨーク=西村央】ニューヨークの国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議は24日から最終週の協議に入り、会期末の28日に向け、最終合意案をめぐる大詰めの段階となりました。

 焦点となっているのは核兵器廃絶に向けた国際交渉の設定です。前々回2000年の再検討会議で核兵器廃絶を達成するとの「明確な約束」を行った核保有国が具体的な目標に合意するのか、その責任が問われています。

 今回の再検討会議では14日に出された第1委員会(核軍縮)素案で26項目の行動計画が提案されました。このなかで(1)核保有国が廃絶促進のために11年までに協議を開始する(2)核兵器完全廃絶に向けたロードマップ(行程表)についての合意のための方法、手段を検討するために14年に国際会議を招集する―、という道筋が示されました。

 過去の再検討会議ではみることのできなかった明快な目標でした。

 しかし、期限の明記にたいする核保有国の巻き返しで、19日に示された修正案では、「11年までに協議開始」の部分は削除され、ロードマップのための14年の国際会議については、「ロードマップについて吟味し、合意するために、期間の定めのない高級レベル会議を招集することを要請する」という期限の設定のない内容となっています。

 非同盟諸国など非核保有国は、期限を切った核廃絶のための行動計画を主張し、協議は続けられています。

 カバクチュラン再検討会議議長は、第1、第2(核不拡散)、第3(原子力の平和利用)の各委員会にたいして24日に修正案の再提出を要請しており、これらを一本化した議長素案を25日にも提示する予定です。

 「核兵器のない世界」に向けた行動計画で、2000年合意からさらに進展したものが示せるのかどうか。核兵器廃絶そのものを主題とする国際会議開催への道筋が示せるのかどうか。再検討会議は残る数日間、緊迫した協議が続きます。





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