2010年5月24日(月)「しんぶん赤旗」
首相再訪「辺野古案」を表明
沖縄 受け入れ拒否
県民・県議抗議/知事「大変遺憾」/名護市長「断固反対」/経済界「難しい」
沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の「移設」問題で鳩山由紀夫首相は23日、沖縄を再訪問し、仲井真弘多知事との会談で「(名護市)辺野古の付近に」と、県内「移設」先を正式に表明しました。昨年総選挙で自公政権時の現行案(辺野古沿岸)を見直し、県外・国外「移設」を公約とした鳩山首相ですが結局、自公政権時の計画に回帰。県民の総意を踏みにじるもので、県民から激しい怒りと抗議の声があがりました。
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鳩山首相は県内「移設」の理由として、「在沖米軍の抑止力を低下させてはいけない。県外に移設すると、海兵隊の機能を大幅に損なってしまう」と従来の「抑止力」論に固執。県民の怒りを沈静化しようと沖縄の「負担軽減と危険性の除去の実を上げる」と称して、在沖米軍の県外への訓練移転の意向を示し、「27日の全国知事会で負担を全国で受け止めるようにお願いする」と述べました。
鳩山首相の表明に、仲井真知事は「大変遺憾だ。極めて厳しい。時間をかけて納得のいく解決策をきちんと出していただくしかない」と受け入れ困難の姿勢を示しました。
会談が行われた県庁前には県民らが約1000人集まり、抗議のシュプレヒコールをあげました。全会派の県議も議会棟前で抗議の座り込みをしました。
稲嶺進・名護市長など北部市町村長との会談が行われた名護市内でも市民らが抗議。稲嶺市長は「断固反対する。市民への裏切りだ。怒りを禁じえない」「実現可能性はゼロに近い」と鳩山首相に伝えました。
那覇市内のホテルで行われた、首相と沖縄経済界との懇談では、沖縄県経営者協会の知念栄治会長らが「政権交代により県外『移設』の期待が高まった県民の気持ちとして、県内『移設』は難しい」などと述べました。