2010年5月23日(日)「しんぶん赤旗」
NPT委員会の文書案
イスラエルの加盟促す
中東非核地帯の重要性強調
【ワシントン=小林俊哉】ニューヨークで開かれている核不拡散条約(NPT)再検討会議の第2委員会(核不拡散)は21日、地域ごとの核拡散問題について最終文書案を提示しました。1995年の同再検討会議で採択された中東非核地帯の創設について「重要性を再確認する」と強調。イスラエルにNPT加盟を促しました。
同案は、中東非核地帯の創設に関する決議を「目標が達成されるまで有効であり続ける」と強調。とりわけ、米国を含む核保有五大国が同決議の実施について誓約していることを改めて確認するとしています。
また、同非核地帯の実現に向け国連事務総長が特使を任命し、2012年に会議を招集することを明記。イスラエルがNPTに加盟し、すべての核施設を国際原子力機関(IAEA)の査察の下に置くことの重要性も改めて指摘しています。
北朝鮮の核問題についても、06年と09年の核実験を非難。再検討会議として「北朝鮮が6カ国協議のもとで約束を果たすことを促す」とする一方、「6カ国協議を強く支持し、外交的手段を通じて、十分で包括的な解決が実現するよう決意する」としました。
同再検討会議は同日、全体会合を開催。最終文書についての合意には至りませんでしたが、28日の最終日に向け、調整は最終盤を迎えています。
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