2010年5月22日(土)「しんぶん赤旗」
多忙・パワハラが原因
名古屋高裁逆転勝訴 「公務災害」認める
公務員自殺訴訟
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上司のパワハラで自殺に追い込まれたとして、愛知県豊川市役所の元児童課長・堀照伸さん(当時55)の公務災害認定を求める裁判の控訴審判決が21日、名古屋高裁でありました。高田健一裁判長は、一審判決を取り消し、原告で妻・しずゑさん=豊川市=の請求を認め、公務災害としました。
堀さんは、新事業の難航と上司のパワハラによって、うつ病を発症し、同課長に着任して57日目の2002年5月27日に「もう疲れました。無念」の遺書を残して自殺しました。一審判決は、仕事の多忙さは認めたものの、うつ病発症は本人の性格によるものとしていました。
二審では堀さんの元同僚が「自殺は、過労の上に上司のすさまじいパワハラによるもの」と証言。判決では、堀さんの業務は他の職員でもうつ病を発症するような多忙な状況にあり、上司のパワハラが複合してうつ病を発症したと認定しました。
岩井羊一弁護士は「判決は働く者の労働実態を正面から見すえたもの。完全勝利の内容だ」と評価。しずゑさんは「素晴らしい判決でうれしい。みなさんの支援のおかげです」と語りました。
報告集会では、地方公務員災害補償基金に対し「上告するな」の要請を集中することを意思統一。労働災害や不当解雇で裁判をたたかう人たちからの支援の訴えもありました。