2010年5月19日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ウマはひづめ(蹄)が1本。3本のサイなどとともにひづめの数が奇数だから、人は奇蹄(きてい)類とよびます▼ウシはひづめを2本もちます。ブタも2本、カバは4本。ひづめの数が偶数の哺乳(ほにゅう)類を、偶蹄類といいます。口蹄疫は、偶蹄類がかかる伝染病です。宮崎の1市4町で発生が確かめられ、知事は非常事態を宣言しました▼殺して処分する家畜は、11万頭を超えます。苦しみながら、なおもふんばって乳を飲ませたりして子どもをかわいがるブタ。農家が1頭1頭、自分の家族のように育てたウシ。哀れな家畜を殺さなければならない農家の人々の涙が、大地をぬらしています▼名のとおり、口やひづめに水疱(すいほう)ができ、高熱をともなう口蹄疫。引き起こす口蹄疫ウイルスは、人類史上もっとも早く発見されたウイルスの一つです。19世紀末、ドイツの研究者が口蹄疫に侵されたウシの水疱を調べ、細菌フィルターでは漉(こ)しとれない小さな病原体の存在をつきとめました▼しかし、いまもって治療法がみつかっていません。感染力はつよい。風にのって、あるいは移動する人間や鳥に運ばれ、次々に伝わってゆきます。畜産農家の損失は大きい。影響は、宮崎から子牛を買って松阪牛に育てる三重県や、九州各県におよびます。感染地の堆肥(たいひ)を使えない米作農家や花づくり農家も困っています▼「えさの輸入わらが感染源では?」「防疫が後手後手だ」「獣医さんが足りない」。農家の悲鳴が問います。国は日本の食と農をなんと思っているのか、と。





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