2010年5月18日(火)「しんぶん赤旗」
トヨタ黒字を問う
“内部留保を社会に戻せ”
愛知でシンポ
第26回「トヨタシンポジウム」が16日、愛知県豊田市で開かれました。愛労連などでつくる実行委員会の主催で約90人が参加。リコール問題で危機感をあおるトヨタ自動車でいま何が起こっているのか、労働条件や下請けの実態、大企業の社会的責任など、各分野から報告を受け、議論しました。
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「残念ながら、今日も4件の相談がありました」。トヨタの下請け企業が集まる知立市で1年前から月2回開く「派遣村」について、日本共産党の中島牧子市議が報告しました。
始めたときは相談者の6割、約40件が生活保護が必要な事例だったと紹介。知立市内の生活保護世帯が2月末で374世帯と、2年前の約3倍に増え、名古屋市に次ぐ割合だと指摘。こうした深刻な事態を解消するために、「トヨタがため込んだ内部留保を社会に還元すべきだ」と訴えました。
トヨタ社員の大場博さん(57)は、トヨタが黒字決算に転じたのは、期間従業員と正社員、下請けから絞り上げた結果だと批判。長時間労働などでうつ病を発症し、系列の部品会社を不当解雇された男性(32)が裁判闘争の支援を求めました。
東海自治体問題研究所の本多弘司理事は、「トヨタがもうけても内部留保に蓄積され、地域への経済効果はない」と強調。また、豊田市と周辺6町村の5年前の合併とトヨタとのかかわりにふれ、トヨタの施設建設が最大の理由だと指摘しました。
岡崎民主商工会の村越泉会長は、愛商連が製造業の585社から集めたアンケートで、53%が単価の切り下げ要請があったと回答したと紹介しました。
日本共産党の大村義則・豊田市議は、市が50人の臨時職員を採用し、中小企業の訪問調査を行うと3月議会で答弁させたことを報告しました。
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