2010年5月15日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ことし3月末、東京・飯田橋のハローワーク前。5月16日に全国青年大集会を開く実行委員会の若者たちが、職探しにきた人に実情をききました▼「もう、生きるか死ぬかのところです。仕事が決まらなければ、樹海に行こうと思う。失業給付を延ばしてほしい。生活保護の基準を下げてほしい」。39歳の女性の話です。「樹海」とはもちろん、生きる望みを絶たれた人がさまよいこむ富士山のふもと、青木ケ原です▼仕事がみつからない若者だけではありません。同じ3月、東京で開かれた討論会「自殺と貧困から見えてくる日本」。ある青年の、痛ましい死が報告されました。彼は、食料品を売る会社の店長でした▼なんと、六つの店の店長をかねていました。寝る間もほとんどないまま働き続ける。本部からは毎日、電話で「売り上げが悪い」としかられる。心も体も限界にきて、みずから命を絶ってしまいました▼警察庁の調べによると、昨年も自殺者が3万人を超えました。12年連続です。生活苦のためとみられる人は、前年から34・3%ふえて1731人。失業のためとみられる人は、65・3%増の1071人。20代、30代の自殺率は、これまでで最も高い▼「いや、生活苦や失業の犠牲者はもっと多い」という声も聞きます。日本の失業者の8割近くは、失業給付を受けていません。20代・30代の4人に1人が、過労死しかねない月80時間より多く残業しています。あす、いよいよ青年大集会です。「人間らしく働きたい」を合言葉に。





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