2010年5月14日(金)「しんぶん赤旗」
オバマ大統領
対タリバン作戦継続
アフガンの和解策は支持
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領とアフガニスタンのカルザイ大統領は12日、ホワイトハウスで会談しました。
オバマ氏は、会談終了後の共同記者会見で、来年7月に撤退過程を始めるとの従来方針に変わりないとの立場を示す一方、反政府武装勢力タリバン掃討作戦を継続する考えを強調。また、アフガン政府が行っている、一部タリバン戦闘員との和解方針については、支持すると明言しました。
オバマ氏は、国際テロ組織アルカイダとその同盟者とされるタリバンをアフガン、パキスタンから掃討する必要性をあらためて強調。自身が命令した3万人の米軍増派によって、タリバンの勢いをそいでいるとして、夏にかけて同国南部カンダハルでの掃討作戦を実行する考えを示唆しました。
一方、民間人死傷者が多数にのぼっていることについて、「アフガン国民への被害を防ぐために、できることのすべてをする」とのべましたが、具体的方策については、示しませんでした。
撤退計画については、「2011年7月に駐留兵力の引き下げを開始できると確信している」と表明。同時に、米国とアフガンとの関係は「長期的パートナーシップ」だとして、撤退過程の開始後も、軍事、民生両面で長期的な関与を続ける考えを示しました。
アフガン政府がすすめている一部タリバン戦闘員との和解策については、「アルカイダと手を切り、暴力を放棄して、アフガン憲法を受け入れると誓ったタリバンに扉を開くとするアフガン政府の努力を支持する」と述べました。
カルザイ大統領は、米国の民生面での支援などに感謝を表明。米軍を中心とする多国籍軍のアフガン駐留や民間人を犠牲にする攻撃に対し批判を強めていた同氏ですが、この日は声高な批判を控えました。
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