2010年5月14日(金)「しんぶん赤旗」
多国籍企業への支援
環境適合製品製造促進法案 吉井氏が反対討論
衆院委
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衆院経済産業委員会は12日、エネルギー環境適合製品製造促進法案を与党の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対し、自民党、公明党は欠席しました。
同法は、太陽光パネルや電気自動車などの「エネルギー環境適合製品」を開発・製造する事業者に低利・長期資金の融資制度を創設するとともに、同製品の普及を目的にリース保険制度を創設するもの。
反対討論に立った共産党の吉井英勝議員は、本法案と密接不可分な関係にある地球温暖化対策基本法案そのものの問題点を指摘した上で、本法案には(1)たとえ巨額の税金を投入して自動車・電機などの多国籍大企業を支援したとしても国内の工場立地や雇用を創出させる保証も産業空洞化に対する歯止めもない(2)原子力発電を「非化石エネルギー源」と位置づけ、原発偏重を加速させる危険がある―と厳しく批判しました。
採決に先立つ質疑で吉井氏は、自動車産業が海外生産を急増させ国内産業を空洞化させてきた実態を示し「国内で開発しても量産化のめどがつき次第どんどん海外展開する。このやり方に歯止めをかけなければ空洞化をくいとめることができない」と追及しました。
直嶋正行経産相は「グローバル経済の時代であり、国内では外国で生産することが難しい新しい技術や性能の商品を開発し生産していくことが一番重要なポイントになる」などと述べ、量産時の海外展開を当然視。国内には研究開発拠点やマザー工場だけ残ればいいという認識を示しました。
吉井氏は、多国籍企業の海外での利益を国内に還元しなければ、国内産業はデフレスパイラルに落ち込むばかりになり、税金を出す意味がないと批判。「結局、大企業補助だ」と指摘しました。
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