2010年5月13日(木)「しんぶん赤旗」
B型肝炎 早期解決を
実名公表した女性訴え
東京
全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は12日、東京都内で前日に続き早期全面解決を求めて街頭で訴え、請願署名を長妻昭厚生労働相あてに提出しました。
千代田区の有楽町マリオン前で、広島訴訟原告の大山美紀子さん(56)はマイクを握りました。母の日に息子から「お母さんの納得のいくように悔いなくやったら」と背中を押され、この日初めて実名を公表しました。
「苦しかった人生を少しでも聞いてほしいと厚労大臣などとの面会を要請して活動してきました。しかし、聞いてもらえませんでした。皆さん力を貸してください」
大山さんは24歳のときに長男を出産。そのときの血液検査でB型肝炎ウイルスに感染していることが分かりました。
「洗面所やトイレの使用が他の入院者と区別され、私が使うところには『使用禁止』の張り紙がありました」。B型肝炎に対する偏見の強さ…。知人や友人たちも去り、夫も理解がなく離婚しました。
「国の予防行政の失敗で、めちゃめちゃに壊された人生を語らないと患者の苦難は伝わらない」。そんな思いで、厚労相と直接会って話したかったという大山さんは訴えます。
「広くすべての被害者が救済される制度の確立と、安心して治療に専念できる恒久対策を実現させたい。まず、国は謝ってほしい」
■関連キーワード