2010年5月13日(木)「しんぶん赤旗」
普天間問題
民意への裏切り
紙議員 「移設」押し付け批判
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「普天間基地の『移設』押し付けは、民意への裏切りだ」―日本共産党の紙智子議員は12日、参院沖縄・北方問題特別委員会で質問し、沖縄・米軍普天間基地の県内たらい回し、鹿児島県徳之島への一部移転をあくまでも強行しようとする政府を厳しく批判し、同基地の無条件撤去を求めました。
紙氏は、4月25日に超党派で9万人が集結した沖縄県民大会と、同18日に人口の6割が集まった徳之島での基地反対集会で「『基地のたらい回しはもう嫌だ』という住民の明快な意思が示された」ことを強調し、「この民意をどう受け止めているのか」と質問。岡田克也外相は、「民意として重く受け止めている」と答えました。
これに対し紙氏は、政府がキャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)沿岸部でのくい打ち桟橋案や、海兵隊ヘリ部隊の徳之島への訓練移転などの案を固めているとし、「民意を受け止めるといいながら『移設』を押し付けようとする行為は裏切りだ」「本当に怒りをおぼえる」と批判しました。
岡田外相は、政府案の内容公表を「さし控えたい」と述べながら、「負担を分かち合う」として全国に分散移転させる可能性に言及。また、「在日米軍の存在と抑止力は日本国民の安全のために必要」などと開きなおりの答弁に終始しました。
紙氏は、陸上自衛隊の冨澤暉・元幕僚長が「在日米軍基地は日本防衛のためにあるのではなく米国中心の世界秩序の維持存続のためにある」と指摘していることなどを示し、「日本の平和を守るなどというのはごまかしにすぎない。幻想だ」「アメリカに対して『基地移転で合意する自治体はどこにもない』ということをなぜ言えないのか、普天間基地の無条件撤去を明確に言うべきだ」と主張しました。
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