2010年5月12日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 昨年9月。民主党の小沢幹事長は、総選挙が終わって間もないうちにイギリスを訪れました。小沢氏は、イギリスの二大政党制を手本にしてきました▼そのイギリスで6日、下院にあたる庶民院の総選挙があったばかり。興味深い選挙でした。たとえば定数です。前回05年の646から、650にふえています。日本では、民主党などが定数を大幅に減らすといいますが▼イギリスは、議席すべてが小選挙区で決まります。日本は衆院480のうち180が比例代表。定数減を求める人たちは、比例を削りイギリス型をめざします。もし小選挙区だけの300なら、人口でイギリスの2倍の日本が、議員数では半分以下になります▼イギリスは、日本と事情が違うものの、議会政治を成り立たせる議員を“ムダな存在だから減らす”とはしていません。ちなみに、ムダといえば政党助成金。イギリスにもありますが、与党には配っていません▼小選挙区制の弊害は、あらわです。事前調査で労働党をしのぐ勢いだった第3党の自民党は、議席を減らしました。得票率は増やしています。保守・労働の二大政党以外に投票しても当選見込み薄という“死票”論に、議席増をはばまれました▼しかし、どの党も過半数をとれずじまい。二大政党制と小選挙区制への、国民の不満はつのります。自民党は、連立政権づくりの協議で、比例代表制を取り入れるよう求めます。すでにイギリスは、地域議会に比例制を導入し、欧州議会の選挙も比例代表制です。





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