2010年5月11日(火)「しんぶん赤旗」
JAL監視ファイル裁判が結審
人権侵害繰り返すな
東京地裁
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日本航空キャビンクルーユニオン(CCU、航空連加盟)所属の客室乗務員ら194人が「個人情報を無断で収集され、人権を侵害された」と、JAL労働組合(JALFIO、連合・航空連合加盟)に損害賠償を求めている訴訟の最終弁論が10日、東京地裁であり、結審しました。
原告のひとりは「監視ファイルへのセンシティブ(傷つきやすい)な書き込みで、深く傷ついています」と述べ、「監視ファイル発覚後、会社とJALFIOは、再発防止策も関係者の処罰もしていません。二度とこのようなことを起こさせたくない」と訴えました。
内田妙子CCU委員長は、「会社は、経営方針に対し、まじめに意見をいう者を攻撃対象とし、監視ファイルをつくりました。公正な判決によって、日本航空が健全な労使関係のもとで、国民の期待にこたえた再建をすることを願っています」と強調しました。
監視ファイルは、2007年2月にメディア報道で発覚。会社の情報提供を受けてJALFIOが退職者も含む客室乗務員1万人近くのデータを保有し、「流産」「悪党」「精神異常」などの書き込みもありました。
当初は会社も被告でしたが、事実を否認しながら損害賠償に応じたため、JALFIOだけが被告となっています。
報告集会で、安原幸彦弁護士は、「JALFIO側は、『情報収集する権利がある』と主張し、今後も監視ファイルを継続する意思を示しています。労使一体となってプライバシーを切り裂くことは許されません」と指摘。「10月の判決まで、世論に広く訴えていきましょう」と呼びかけました。
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