2010年5月11日(火)「しんぶん赤旗」
有休取得で賃金減額
労働者ら4人労基署に申告 是正指導求める
スズキ
|
有給休暇を取得した際、通常支払われている賃金のうち一部の手当が払われていなかったとして10日、自動車大手スズキの労働者ら4人が静岡県浜松労働基準監督署に申告し、過去2年間にさかのぼり不払い賃金を払うよう是正指導することを求めました。労基署は申告を受理し、「手当が通常の賃金に含まれるなら払うべきだ。通常の賃金の範ちゅうに入るかどうか、手当の性格など会社に確認したい」とのべました。
労働基準法では有給休暇について、平均賃金もしくは通常の賃金を支払わなければならないと定めています。スズキでは、交代勤務を行うライン労働者などが有休を取得した場合、通常支払っている交代勤務手当と深夜割増手当を支給していませんでした。ある2交代勤務の労働者の場合、支払われなかった賃金は月3千円弱。2年間で約5万円が不払いでした。申告者によると、不払いの総額は全体で1億円を超えるといいます。
申告者の一人、久米信雄さんは会見で「4月5日に会社に申し入れたが“慎重な判断が必要”だといっていまだに正式な回答がない。やむにやまれず労基署に申告した」といいます。「スズキだけの問題ではない。自動車業界で交代制勤務は広くある。今回を契機に実態を明らかにしたい」と語りました。
申告には、日本共産党の渡辺浩美県書記長・参院選挙区予定候補も加わりました。
■関連キーワード