2010年5月10日(月)「しんぶん赤旗」
宝の海 埋め立てるな
山口・上関原発問題 東京でシンポ
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中国電力が山口県上関町の祝島に上関原子力発電所の建設を計画し、周辺の海を埋め立てようとしている問題で、建設に反対する「上関どうするネット」などは9日、豊かな生物多様性を誇る周防灘を守ろうとシンポジウムを東京都千代田区の明治大学で開き、200人が参加しました。
講演した加藤真京都大大学院教授は、生物が食物連鎖で互いにつながりながら干潟の浄化機能を発揮していることを紹介。「汚染に弱い腕足動物のカサシャミセンが生息できるほど豊かな海。これを埋め立てて汚れた温排水を出す原発を建てるのはばかげたことだ」と強調しました。
「長島の自然を守る会」の高島美登里代表は、祝島の隣の長島周辺では国連自然保護連合指定の絶滅危惧(きぐ)種カンムリウミスズメが年間を通じて生息していることにふれ、「希少生物がすむ環境を壊す埋め立ては許さない」とのべました。
「こんな小さな島でも私たちにとっては大切。死ぬまでここで暮らしたいという願いはどんな圧力を受けても変わらない」と語ったのは、「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の山戸貞夫代表。「瀬戸内海はみんなのもの。私たちのたたかいにご協力をお願いします」とのべました。
シンポのあと参加者らは、街頭でパレードし、瀬戸内の海を守ろうとアピールしました。
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