2010年5月8日(土)「しんぶん赤旗」

首相元秘書 有罪が確定

資金管理団体 4億円の虚偽記載


 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元公設第1秘書勝場啓二被告(59)を禁固2年、執行猶予3年とした東京地裁判決について、検察も弁護側も期限の6日までに控訴せず、有罪判決が確定しました。


 判決によると、勝場被告は2008年までの5年間、同会と関連政治団体「北海道友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書に、「故人」をふくめ実際には寄付していない人の名前を記載したり、パーティー券収入を水増ししたりして総額約4億円を虚偽記載しました。

 判決は「実態とかけ離れた報告書が公開され、国民の信頼を著しく損ねた」と厳しく批判しました。

 事件では鳩山氏も虚偽記載容疑などで告発されましたが、東京地検は「嫌疑不十分」で不起訴処分とし、東京第4検察審査会が先月26日、「不起訴相当」と議決しました。

解説

首相は今こそ説明を

 元秘書の有罪確定によって、首相の説明責任は、ますます重大となってきました。

 首相は、国会などで再三、「(元秘書の)裁判が終わったら説明する。いいかげんに済まそうというのではない」(3月3日、参院予算委員会)などと答弁してきたからです。

 虚偽記載の原資となったのは、母親からの毎月1500万円という“子ども手当”です。首相に説明が求められているのは、この12億円を超す膨大な資金の使途についてです。

 7年前に発足した首相が率いる政策グループ「政権公約を実現する会」が2月上旬に政治団体の届け出をしていたことが先日、明らかになりました。政治団体の届け出をするということは、活動の実態があったからで、実際、同会は毎年、軽井沢のホテルで「合宿研修」を開催するなどしてきました。

 グループの議員に資金を配り、受け取った議員側が収支報告書に報告していなければ、政治資金規正法違反に問われることになります。

 規正法は、カネの流れを透明化することによって国民の監視下に置くことを目的としています。首相が、この法の趣旨に反することは許されないことです。(藤沢忠明)





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