2010年5月5日(水)「しんぶん赤旗」
国連本部で原爆写真展
被爆者の話に見学者真剣
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【ニューヨーク=阿部活士】核不拡散条約(NPT)再検討会議が開会した3日、国連本部1階のメーンロビーを使った、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)による「原爆写真展」と、被爆の語り・交流が午前10時から始まりました。会場には、50枚以上の写真と図表、説明文を掲示。パネルに囲まれたブースごとに、約50人の被爆者が、持参したA4の文書1枚にまとめた被爆体験とメッセージをもとに懸命に訴え。国連を見学にきた人などが真剣に聞いていました。
今回の代表で最高齢の85歳になる岩手被団協会長の斎藤政一さんは、「65年たってようやく、国連でやられた。65年目の奇跡です。声をからして核兵器廃絶をいいながら、途中で死んでいった人たちがたくさんいるんだ…」と語りました。長崎被災協会長の谷口稜曄(すみてる)氏は、被爆時の写真と、雨の中を核兵器廃絶を求めて行動するアップ写真などの組写真で構成されるパネルを前に、何回も説明しました。
「ユーアーストロングマン」と驚嘆の声をあげたのはオランダから家族旅行で見学にきた一家の父親。谷口さんの身体をじかに触らせてもらった国連職員でウズベキスタンの女性は、「原爆は残虐なこと。繰り返してはいけない。生き証人。彼のメッセージは大変強い」と感想をのべていました。
催しは6月以降も開かれる予定です。