2010年5月5日(水)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「あのね/もりおかせんせいが/けんくん じが げんきになったねって/ほめてくれたの」▼『子どものしあわせ』5月号の1ページ目を飾る、山梨の小学1年生、こばやしけんごさんの詩です。1行あけて続きます。「まえ、もりおかせんせいが/つくえに かおを くっつけないで/ かいてごらんって いったんだよ/ぼくの せなかを ポンとたたいてね」▼けんごさん、よかったね。育ちゆく子どもにとって、「せなかをポンとたたく」おとなの励ましはなによりうれしい。現実には、虐待や差別など、発達の芽を摘みとる悲しいできごとが多すぎるけれど▼次は『日本の学童ほいく』5月号の1ページ目、石川の小学3年、林のぞみさんの詩です。「今日 1、2、4げん目の図工で/『はこの中はひみつ』という物を作りました/タイトルは『夜の海の世界』です/いろいろな物をくっつけたりしました/何となくすごいと思いました/楽しくてうれしくて/すごいと ちょうちょう思いました」▼胸が弾んではずんで。どんな「夜の海」なのか、みたくなります。同じ誌上で、早稲田大学の増山均さんが、ナチスのユダヤ人迫害とたたかい子どもを守った、ポーランドのコルチャック先生の言葉を紹介しています。「子どもたちは知性によってではなく、感性で思考する」▼いまの日本の社会は、子どもにとってきびしい。子どもの声に耳をすまし、豊かな感性をもつ子どもの人格の発達をどう保障するか。おとなの責任が問われています。