2010年5月2日(日)「しんぶん赤旗」
私立高67%に学費滞納生徒
私教連調査 抜本的支援求める
2009年度に経済的理由で私立高校を退学した生徒の割合が0・09%と前年度より減少したものの、学費負担の厳しさはあいかわらず深刻であることが4月30日、全国私立学校教職員組合連合(小村英一委員長)の調査でわかりました。
調査は28都道府県・282の私立高校(調査対象生徒数22万6914人)をまとめたものです。全国の私立高校1321校の約5分の1にあたります。
経済的理由で中退した生徒数は200人で、調査対象生徒数の0・09%。08年度の0・20%を下回りました。この理由について全国私教連は、(1)厚生労働省の指示で学費滞納に対する緊急貸し付けを社会福祉協議会がおこない、生活福祉資金(教育支援資金)が滞納したときまでにさかのぼって貸し付けられることになったこと(2)各学校で滞納者の増加に対する丁寧な対応や具体的な措置を強めたこと―などをあげました。
一方で学費を滞納している生徒のいる学校は67・0%で昨年度の66・0%を若干上回っています。学費の滞納率は0・62%で昨年度の0・72%とあまり変化がありませんでした。小村委員長は「学費負担の厳しさの実態はあいかわらず深刻で、国と県との抜本的な措置が必要」とのべ、(1)私立高校の実質無償化(2)年収500万円までの世帯の全額減免(3)学費負担に対応できるような緊急貸付制度の設置―を求めました。