2010年4月28日(水)「しんぶん赤旗」
核心はゼネコン裏金
公共事業巡る疑惑解明を
小沢氏「起訴相当」
検察審査会が27日、「起訴相当」を議決した民主党の小沢一郎幹事長の政治資金収支報告書の虚偽記載問題。この疑惑の背景として浮き彫りになっているのが、公共工事談合に強い影響力を発揮する小沢氏側とゼネコンの癒着の構造です。(矢野昌弘)
ゼネコン各社を選挙に総動員したり、献金額や選挙協力の実績に応じたふるい分けなど、小沢氏とゼネコンとの癒着ぶりを語る証拠は数知れません。
ゼネコンに対して、小沢氏が持つ「震え上がるほどの影響力」(準大手ゼネコン西松建設の元中枢幹部)の源泉は、小沢氏側が発する「天の声」だったと関係者は証言します。
東北地方での談合の仕切り役とされた大手ゼネコン、鹿島の現職幹部は「小沢事務所はリスクを避けた上で、最大限の影響力を行使してきた。(本命に)入れることは難しくても、外すことは簡単にできた」といいます。
談合組織が決めた本命業者であっても、小沢事務所が気に入らなければ、受注業者から外すというやり方です。
あるゼネコン元幹部も「天の声といっても『この社を本命にしろ』というものではない。要するに仲間外れにされないためだ」と語ります。
小沢氏の土地購入資金には、岩手県奥州市で建設中の胆沢(いさわ)ダムの工事受注をめぐるゼネコンからの裏金の存在が指摘されています。
日本共産党の笠井亮議員は衆院予算委員会(2月17日)で胆沢ダム工事での談合情報の問題を追及しました。
ダム工事で落札者に鹿島、大成建設、下請け業者に水谷建設が決まっているという情報が、入札前に国土交通省に寄せられていたのです。
さらに小沢氏の政治団体には、同ダム本体関連工事を受注した17社から03年から08年にかけて、約3000万円の献金が行われていました。
小沢氏の元公設第1秘書・大久保隆規被告は「胆沢ダムは小沢ダム」と、ゼネコン関係者に言い放ったことが、同被告の公判廷で明らかになりました。小沢疑惑の核心は、小沢氏と公共事業をめぐる疑惑であり、裏献金の全容など徹底的な解明が求められます。